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と、いうわけで小説ブログです。


気まぐれ連載。

 恋愛splinter 少年少女キャッキャウフフ物語。
001「春のちとせ」  002「青い夕暮れ」 new!



煮詰まり中……。
   大人になりきれない成人男女の青春やり直し物語。
●五朗の日々をにやにや観察する章     
●危うい日々    
●覚醒への助走   

○登場人物紹介○(随時不定期で追加していきます)


挙編小説
天井
陽炎レールウェイ
輝きじゃなくてキミが

サティの調律




記事が増えたらまたどんどん追記をしていきます。


よろしくお願いします。

恋愛splinter 002「青い夕暮れ」

 さて、夕暮れの日野々井中学校。
 部活動を終えた中学生たちが、それぞれに流れるように帰宅のグループを形成したりばらけたりしながら生徒玄関を後にする。
 帰り道の方角が一緒の者。
 これから一緒に買い物の用事を済ませに行く者。
 何かの節目なのか節目を今作ったのかわからないが、なんてこと無い日に華を添えるべく遊びに繰り出そうとする者。
 それぞれ同じ目的を持った者達が若者なりのそれぞれの気持ちを抱いて歩き出す。
 ちとせは直帰。疲れたので早く母の作る夕食を食べたい。
 かいりは直帰。疲れたので早く母の作る夕食を食べたい。
 二人の家は隣。
 利害の一致。
 ということでかいりはいつも通りちとせに声をかけた。
「ちとせー帰るべー」
「嫌!」
 ちとせは目も合わせずそう言い放った。
 いつも通り『あーかいりか』とか『腹減ったー』とか、取りあえず(二人の間では)肯定と取れる返事が来ると思い、というよりそもそも他の返事が来ることを予想していなかったかいりは、ちとせの返答に一瞬対応できず目を少し見開いた。
「どうしたん、ちとせ」
 ちとせから返って来たのは更にかいりの斜め上。
「中学生ん時から異性と喋っちゃいけないんだって!」
「はぁ」
 ちとせの発言に対応しきれないかいりの前を歩き出しながらちとせは続けた。
「ふじゅんいせーこーゆーだってネットで言われた!」
 その半歩後ろをついて歩くかいり。これ普通に一緒に帰ってるよね、というツッコミはこの際ちとせの為に置いておこう。
 話は戻ってかいりはちとせの発言に呆れ返った。
「お前……ネットの情報まるまる信じるなよ」
「だって疾風さんが言ってたもん、本当だもん」
「しっぷうさん?」
「tyoitterの知り合いでね、大学生のすごい美人さん。大学生が言うなら間違いないでしょ!」
 中学生から見ると大学生はすごく大人だ。ちとせは続ける。
「フォロワーだって私の三倍で、三千人もいるんだから! すごい人なんだよ」
 『お前千人もフォロワーいるのかよ……』と突っ込みたくなる気持ちを抑えて、かいりはちとせの横に並んだ。
「でもさ、ちとせ。その人は俺達の何を知ってるんだよ」
「へ?」
「ちとせは俺と帰るのが不純だと思ってんの?」
「そ、それは……思ってない」
 整備された川の土手に上がり、川を眺めながら歩く。
 ちとせは自分が何の疑いも無く見ず知らずの他人に言われたことを信じた自分を恥じた。
 そんなちとせを見てかいりは地雷を踏む。
「てかアレなん? お前俺のこと異性として見てんの?」
 そう言ってかいりがちらりとちとせの顔を見ると、その顔は夕日だけのせいじゃないとはっきりわかるほど朱に染まっていた。
「み……」
 かいりはその顔が少し心に引っかかるのを感じた。
「見てるか……」
 ……と、思った矢先。
「見てるか、ぼけええええええ!!!!」
 すさまじい勢いでちとせに尻を蹴られるかいりなのであった。
「お、お前……」
 それからかいりはちとせのわき腹をお返しだと言わんばかりにくすぐり始めた。
 そして仕返しに足を踏まれたりくすぐり返されたり。それが自宅に着くまで続いた。
 二人は痛いしくすぐったい筈なのに、とても楽しかった。
 なんで二人でいるのがこんなに楽しいのか、こんなに落ち着くのか。二人はまだわからない。
 そんな夕暮れ。


恋愛splinter 001「春のちとせ」

六年位前に描いた漫画を三年くらい前にノベライズしようとして、途中で放置していたシリーズです。
なんとなくまた始めてみます。


*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*


 ちとせは激怒した。
 なんて某名作の冒頭シーンの真似をしてみたものの、この物語はそんなに大層な正義や愛を語るものではない。初恋ましまし、糖分少々でお送りする予定となっている。
 閑話休題し、ちとせの激怒に焦点を戻してみよう。
 時は現代、場所は山間部の田舎に建つ日野々井中学校。気だるい春の陽気が包む体育館で、健康診断が進行中。生徒も教師もこの行事が学校で生活する上での義務であることを理解しているため、皆の心持ちは極めてドライであった。時々体重の公表をめぐって乳繰り合いをする女子の話し声が響くが、それも教師による一喝で静められる。
 そんな中、一人の男子生徒が小さくガッツポーズをしながら身体計測を行う教室を出て来た。三年生のちとせの幼馴染、かいりである。ちとせはかいりのガッツポーズを見逃さない。
「かいり、身長伸びたべ?」
 その声に含められた怒気に気付かないかいりは、ピースサインを揺らしながら満面の笑みをちとせに向けた。
「五センチ伸びちゃった。これで念願の百七十五センチに到達したべ!」
 ちとせはかいりに大股で近付いた。そこでちとせの怒りに気付いたかいりは『今年もかぁ』というような呆れを感じたが、あえてそれを顔には出さず心の中で苦笑した。
「あたしは……」
 それに気付かないちとせ、釣り上がり気味の目を更に釣り上げて、
「三ミリしか伸びてない!」
 とかいりを見上げた。ちとせとしてはかいりを見上げる時点で屈辱的である。同い年で気が付いたら遊んでて、競い合ってて、いつも一緒にいたかいりは自分とずっと同じステージにいるものだと思っていた。そんなかいりが自分を置いてどんどん大人になっていくのが許せなかった。負けたくなかった。ちとせは女子としては少し情緒の成長が遅い方なのかもしれない。
 かいりはそんなちとせのことをぼんやりと形にはなっていないが理解していた。頭をぽんぽんと優しく叩き、
「伸びたん? 縮んだかと思った」
 と薄ら笑い。ちとせがおちょくるようなかいりに、「お前が伸びたんじゃボケェ!」と言おうとしたその時。
「またお前らかよ」
「バカップルいい加減にしろよなー」
 冷やかしを入れながら同級生男子が通り過ぎて行った。
 かいりは弁明をしたいのか男子の群れに混ざりに走った。
 残されたちとせは、激怒した。
「ふざけんなぁ!」
 それが誰に対してなのかは、まだわからない。
 そんな春。

サティの調律

Fleurage(窓口)の管理人であるcanaria様の企画、webアンソロジー季刊誌「carat!」に寄せる記事です。
タイトルはちょうどこの挙編を書いているときサティの「おまえがほしい」を聞いていたところが由縁です。
今回はエロい描写がしたいわ~と思ったら割とすぅっと書けました。
今回も素敵な機会を与えてくださったcanaria様に大きな感謝を。


― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

 別にタダでセックスをするのが申し訳ないから毎回奢っているわけではない。ただ好きなだけだ。自分のことをロクに知らない女と、いや、何もロクに知らない哀れな女と酒を酌み交わす時間が。
 氷だけになったグラスをいたずらに回していると、カンナはマスターに
「すみません、シーバスリーガルダブルお願いします」
 と勝手に注文をした。もういい感じなのに、相変わらずな女だと思う。多分注文方法がダブルしかわからないのだと思う。それかダブルを注文するのが格好いいと思っているか。どちらにしても滲み出る幼さに俺は苦笑した。グラスを置いてマスターが差し出したシーバスリーガルを受け取る。
「佐藤さんはお酒強いから、このくらいへっちゃらよね」
 ニコニコしながらカクテルに口をつける。カンナは幼い女だ。
「大学生の飲み会のノリを社会人にまで押し付けるな」
 そう言ってもカンナはニコニコしていた。
「でさ、佐藤さん、この後どうするの?」
「少し休んでから帰ろう」
 何度も繰り返されたやり取り。この女は待ち合わせの前からわかっていることを俺に確認することで、整った様式を守ろうとしている。俺をさりげなく立てているのか、自分の可憐さを際立たせているのか、それともその両方か。女の考えることなどわかりもしないしわかりたくもないが、カンナのそういった律儀さは結構気に入っている。
 ”少し休む”ことが決まると、先程からサークル仲間の愚痴や教授の萌えポイントについて語っていた口がいきなり役目を終えたように休み始めた。俺に委ねる、そういうことなんだろう。
 無言で酒を飲み、会計を済ませ外に出ると、カンナはそうすることが当たり前のように俺の腕に絡み付いてきた。
「佐藤さんは、いつも自分の事は話さないのね」
 そんなことを言われたのは初めてだったが、俺は特に気に留める様子も見せようとしなかった。
「俺の話なんて聞いてもつまらないだろう、カンナは」
「また、そうやって子ども扱いするのね」
 ラブホテルの一室に入ると、カンナは鞄をソファに投げ、俺の首に手を回し唇を求めてきた。それに応えると、俺達は何かを奪い合うように互いの中を掻き回し、息を荒げた。
 シャワーも浴びずにベッドに倒れ込み、服を脱がせては露出した身体を撫で回しキスを降らせた。今日はカンナの熱が異様に高い気がした。いつもより反応が大きいし、よく俺の身体を触りたがる。そんな彼女に触発され俺も必死にカンナを求めた。若く白い肌は俺の手に吸い付き、まるで俺を求めているかのようにすら感じられた。
 避妊具を装着し互いの最も弱い部分を接触させると、カンナは大きく背中を反らし喘いだ。何度も何度も弱い部分を擦り合わせ、抱き合い、自分を忘れるくらい夢中になって目の前の異性に快感を求めた。彼女も俺もお互いのソレに応えようと必死になったし、また十二分に相手が応えてくれていることを感じることができた。
「佐藤さん、キスして」
 繋がりながら彼女の要求に答え、唇を合わせ舌を絡め合わせた。しばらくそうしていた。
 唇を離すとカンナの熱は更に上がっていった。俺の背中に腕を回してぎゅっと力を込めると、
「佐藤さん、佐藤さん、イっちゃう、イっちゃう」
 と言いながら身体を痙攣させた。宣言どおり果てたのだ。
 可愛い、そう思った。俺があと二十若かったらこんないい女放っておかなかったのに。そう思いながら最後の最後までカンナの奥を求めて、俺も果てた。
 シャワーを浴びながら身体を触っているとまた熱が上がっていき、濡れた身体を拭く間もなくベッドに倒れ込みもう一度お互いを激しく求め合った。シャワーを浴びたはずなのにカンナの弱い部分はいつでも俺を迎え入れようと言わんばかりに準備が整っていたし、俺もまた然りだ。
 こんな風に夢中になれる相手が今までいただろうか。
 いや、いない。
 家内と恋人だったときですらここまでの燃えるような熱を感じることはなかった。
 カンナは特別なのかも知れない。
 それとも、こういう関係だから?
 答えは出ないまま、俺達は溶け合わんばかりに密着し、果てた。
 帰り支度をする頃合いになり、カンナはストッキングを慣れた手つきながらも慎重に上げながら俺の顔も見ずに口を開いた。
「今日で、さよなら」
「彼氏でもできた?」
 こんな日が来ることはわかっていた。わかっていたから、俺は動揺を隠した。
「そう、私がこんな火遊びしてるのも知ってて、それでも私がいいって言ってくれる変な人よ」
「お似合いじゃないか」
「…………やっぱり、予想通りすぎて佐藤さんはつまらないわ」
 服を着終わったカンナは台詞とはまったく合わずニコニコと笑っていた。
 そんなカンナを無視して部屋のドアに手を掛けると、背中から嗚咽が聞こえた。
 振り返ったら、きっと俺は彼女を抱きしめてしまう。また、めちゃくちゃに彼女を求めてしまう。ホテル代も休憩料金から宿泊料金になってしまうし、何より越えてはいけない線を心が越えてしまう。
 『佐藤さんはつまらないわ』カンナの声が頭の中で響いた。振り返りたかった。振り返りたくなかった。越えたい、越えたくない、越えちゃ駄目だ。


 俺は振り返ると、カンナを抱きしめた。
 きっと俺は彼女よりずっと哀れで、愚かだ。
 この先に待っているものが幸せじゃないとわかっていても、彼女を抱きしめる腕をほどくことはできなかった。

Fleurage(窓口)の管理人であるcanaria様の企画、webアンソロジー季刊誌「carat!」に寄せる記事です。
今回も色々こねくり回しました。結果『恋の単純さとパワー』をテーマにしてみました。
宝石をテーマにしてみようと思ったのですが、宝石言葉について考えすぎて頭がパンクしましたw
今回も素敵な機会を与えてくださったcanaria様に大きな感謝を。


― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 



 例えばその子はいつも風を待っている。
 例えばその子はいつも雨に身を濡らしている。
 例えばその子は晴れの日はけだるげにしている。

 僕のどうでもいい好みの話。
 桐山に話すといつも変態とからかわれてしまう僕の好み。
 「台風の日に猫を拾って猫撫で声で話し掛けていたりすると最高だね」そんなことを言うと桐山はいつも「王道か変化球かどっちかにしろ」って言うんだ。桐山に僕の好みに口出しする権利はないはずだ。
 夏服でいるのも涼しく感じるようになってきた九月の下旬。秋の長雨が、僕の住む小さな町の上をゆっくりと這うように通過していく。今日も例外なく雨で、僕は道行く人と同様に傘をさし、書店を目指していた。
 今日は楽しみにしていた恋愛漫画の最新刊が出るんだ。
 恋愛漫画を読んでいるなんて知られたらたちまち周りの男子にからかわれてしまう。僕も人のことは言えないが、中学生男子はまだまだ子供だ。だからこの漫画は押入れに大事にしまって一人で楽しむんだ。
 書店に着くとまっすぐに新刊コーナーに向かった。すると、そこには近所の高校の制服を着た女性の後姿が見えた。僕はその女子高生の横に立ち目当ての漫画を一冊手に取った。ついでに好奇心というかなんというか、隣の女子高生の横顔を盗み見ると、手に取った漫画を落としてしまった。
「あ」
 理由は単純。
「わ、大丈夫?」
 彼女があまりにも美しかったからだ。
 落ちた漫画を拾い、微笑みとともに手渡してくれる名も知らぬ女子高生。受け取る手が震えた。
「すみません、ありがとうございます」
「綺麗に落ちてよかったね、角もつぶれてないよ」
「あ、はい」
「この漫画、面白いよね」
 僕はハッとして顔を上げた。彼女はやっぱり微笑んでいて、なんで僕相手に会話を広げようとしてくれているのかわからなくて、僕は半ばパニック状態になりかけていた。
「あ、はい、ヒロインのしずくの設定が独特で面白いなって……」
 しずくというのは恋愛漫画のヒロインで、雨の日になると裸足で傘もささず外を駆け回る謎の多い少女だ。僕の理想の女性。
「しずく、可愛いよね。私は晴れてる方が好きだから感情移入できないけどなぁ」
 そう言ってバツが悪そうに笑う彼女を見て、僕の中の何かが音を立てて壊れるのを感じた。

 晴れが好きな女性……素敵かもしれない。
 むしろ晴れこそ正義なのかもしれない。

 自分の今までの好みはなんだったのか考える間もなく、僕は急速に彼女の微笑みに吸い込まれてしまったのであった。恋が単純なのか、僕が単純なのか、僕には量ることができなかった。
 もっとも、漫画から目線を戻すと彼女は遠くの後姿になっていたわけだけれど。

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